2007年10月24日水曜日

半島を出よ/村上龍

2010年3月21日から2014年5月5日までの濃密なストーリー。
実質的な内容は2011年4月1日から2011年4月11日の短期間に福岡市で起こった(という想定の)事件の小説です。

北朝鮮のテロリストが福岡ドーム(現yahooドーム)を占拠するという、福岡市在住の私にとってはかなりリアリティのある内容です。これは面白いだろうと文庫版を購入したわけです。
その小説をやっと読了しました。

なんというか、前半というか、下巻の中盤まではイマイチ小説の世界にのめりこめず、読み進むのがかなりキツかったですね。。やたらと冗長だなと感じたわけです。登場人物ひとりひとりの背景がひたすら描写されているような感じです。飽きてきます。 ここを読み終わるまでが長かった!
でも、この部分を通り過ぎた後に待っているクライマックスは素晴らしい迫力です。
頑張って読んでよかった~。
村上龍に暴力を表現させたら凄いですねー。

ただし、福岡市在住の人間として、これはチョット・・・と言いたいことがあります。
それは、「方言」です。
小説のおもな舞台は九州で、その中でも福岡市が中心となっているので当然九州の方言がたくさん出てきます。
もう、その方言が、「福岡」「熊本」「長崎」ゴチャ混ぜです。
たとえば、「タクシーはどがんですか。」というセリフが出てくるのですが、福岡の人間はまずこんな言葉は使いません。福岡「県」になると南部の方にいくと使うかもしれません。でも、福岡「市」の人間は使わないでしょう。「どがん」は熊本でしょうね。これは長崎だろっ!っていうのもありました。
まぁ、関東の人間から見たら「福岡」だろうが「熊本」だろうが大きな違いはないんでしょうけど、そこに住んでいる人間にとってはとても違和感があります。
地理的な部分などとても良く取材してるなぁと思うだけにこの言葉の部分は残念です。

まぁ、方言はこの小説に限らずドラマなんかでもヒドイですからね。
でも、お笑いグループ「ロバート」の秋山サンの博多弁は完璧だったと妻が言ってました。

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